騒音と振動は密接な関係があるにもかかわらず、構造物へ与える影響に関しては、一般に振動のみが懸念されることが多くありました。しかし、石油・化学・ガスをはじめとするプラント配管設計では、配管内部の高騒音が配管構造物に与える影響についての研究が特に欧米顧客の間で注目されはじめています。
これは、主にスチーム/ガスの緊急脱圧を目的とした高差圧弁/制限オリフィス下流配管での著しい流体の乱れによって音波が励起され、その配管内部音圧の変動により構造物が強制加振し、配管部材の変形に拘束された箇所に高レベルの応力(応力集中)を発生する現象です。
海外のライセンサー、エンジニアリング会社におけるこの現象への取組みとして、過去の音圧による応力集中事例に基づくチャートを用いた高差圧弁/制限オリフィス下流配管の最適設計を行っています。設計チャートのパラメータは、発生音響パワーレベルや下流配管内径肉厚などを設定して検討していますが、プラント実運転の実績に基づくと、チャートから危険とする結果が出ても、必ずしもこの現象が起きるわけではなく、時には配管のオーバーデザインとなることも確認されています。
そこで、配管系において変形に拘束され発生する高レベルの応力集中現象を、音響解析プログラム/構造解析プログラムABAQUSを用いて検討しました。その結果、音圧の変動に起因した配管への強制振動によって、配管構造物の不連続な拘束点において高レベルの応力集中を受けることが確認されました。また、音響加振による配管の応力集中を避けるため、配管周方向に全周補強が有効であることが定量的に確認されました。
千代田では、この検討結果に基づき、音圧による応力集中の防止設計基準確立に取組んでいます。
参考文献
- 日置、磯部:発生騒音と振動の関連事例−プロセスプラント配管系−、騒音制御、vol. 22、No. 5、(1998)
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